運動療法は一石二鳥

運動は血糖値を下げる

運動時は血中のブドウ糖を利用するので血糖値が下がります。また、インスリン抵抗性も改善するのでインスリンの節約になり、膵臓を疲れさせません。

ストレス解消

スポーツに熱中したり、スポーツ後の爽快感を味わうことによってストレスの発散につながります。

ストレス解消に効果

ストレスによりビタミンB1が消費されます。
また糖質をエネルギーに変える重要な役目も担っていて、不足すると糖質が利用されず脂肪となって身体にたまり肥満の原因になります。ですから、ビタミンB1の補給は欠かせません。
ビタミンB1は豚肉に豊富に含まれていますが、同時にビタミンB1の吸収を助けるため、アリシンを多く含む食材(玉葱、ネギ、ニンニク、ニラなど)とマグネシウムを含む食材(豆腐、昆布など)を摂るのがおすすめです。

ストレスが原因で「うつ」

ストレスが長引いたり、度が過ぎるとうつ病になりやすくなります。
糖尿病患者の場合、2~3割はうつ病を併発するといわれています。
糖尿病になると、主に食事を制限されたり、低血糖の不安や運動、薬物療法など実行しなければならないという焦りや負担が多くなりどうしてもストレスを感じやすくなります。
糖尿病であることを否定的に考えることなく、しっかり受けとめて積極的に治療に励んでいくことが大切ですね。
理想は上手にストレスを発散できればいいのですが、人によってうまくできる人とそうでない人がいます。できるだけ自分にあったストレス解消法を見つけたいものです。

ストレスが血糖を上げる仕組み

物理的(騒音、寒さ)、生理的(過労、睡眠不足)、社会的(人間関係、環境変化)刺激を受けて、ストレス状態に置かれた身体は、防衛反応として副腎髄質からアドレナリンやノンアドレナリン、副腎皮質からコレチゾールというホルモンを分泌します。
これらが肝臓に働きかけ、蓄えられていたグリコーゲンをブドウ糖として血中に放出します。
それによって血糖値が上昇します。さらにアドレナリンなどのホルモンはインスリンの働きを弱めるとも言われます。
普通の人はストレスが取り除かれると血糖値も正常に戻りますが、長期間ストレス状態に置かれたり、糖尿病患者であると一度あがった血糖はなかなか下がってくれません。

ストレスによる二重の災難

人の中には、たまったストレスを発散しようと過食に走ったり、 お酒で気分を紛らしたり、タバコを吸って気分を沈めたりする人がいます。
しかし、過食・アルコール・たばこ・・・どれをとっても糖尿病の方にとっては血糖コントロールの妨害になるものですね。

ストレスを味方に

ストレスは人間が活動するときの”エネルギー源”であると言われています。
人間は元々ストレスをはね返す力を持っており、ある程度のストレスならばそれに耐えてはね返すことができます。
逆にストレスが全く無いと人間は生きる活力を失ってしまい、緊張感が無くなってボーっとし、外界に対する反応が鈍くなって身体の老化やボケが早まってしまいます。
適度なストレスは、それを乗り越える気力や活力が沸いてきて立ち向かうことが出来、次の行動を起こせるようになります。
ストレスを敵にまわすか、味方にするかはあなた次第です。

「ストレスをため込みやすい人」は要注意

強いストレスが持続すると、コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンなど血糖を上昇させるというホルモンの分泌が盛んになりインスリンの働きを邪魔してしまいます。
また自律神経のバランスが乱れ空腹感を感じて暴飲暴食に繋がります。まじめで几帳面な人、頑固な人、内向的でおとなしい人、取り越し苦労の多い人などストレスをため込みやすいタイプです。
自分にあった上手なストレス解消法を見つけてため込まないことですね。

高脂血症とは

糖尿病や高脂血症は個々の病気だけでも動脈硬化の引き金になる恐ろしい病気です。
さらに、その2つが合併すると、単なる足し算以上に動脈硬化を進展させます。
また、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など生命にかかわる病気に陥る可能性も高まります。

高脂血症とは

血液の中に、脂肪の一種であるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が増えた状態のことです。
血液中にコレステロールが多いと「高コレステロール血症」、中性脂肪が多いと「高トリグリセライド血症」と診断されます。

脂質が増えすぎると?

コレステロールや中性脂肪などの脂質は、血管の壁にたまって血管を詰まらせたり傷つけ、動脈硬化をもたらします。
特に、心臓の冠状動脈の血流が悪くなって狭心症や心筋梗塞などを起こす確率が高くなります。

高脂血症と糖尿病が合併すると

高コレステロール状態と関係があるのは主に「粥(じゅく)状硬化」です。
これは、太い動脈や冠状動脈(心臓)の中にできやすいものです。
糖尿病になると血管内が傷つきやすく、血管内に血液の固まりができやすくなります。

そのうえコレステロールが高くなるとコレステロールの結晶がたまり、その部分がはがれたりします。
傷ができた部分を修復するのに血液が固まり塞ぎますが、これでまた血液の流れがじゃまされて渦が生じてしまい、その渦状になった血液の流れが血管を傷つけたりします。

このような高脂血症と糖尿病の「相乗効果」によって、血管壁の血液の固まりが大きくなっていくと、血管の内腔が狭くなり、しまいには塞がってしまったりします。
冠状動脈の内腔が狭くなった状態では、走ったりして心臓にたくさん血液が必要な場合にも十分供給されず、血液が不足、つまり酸素不足になって危険信号としての狭心症の痛みが起こります。


完全につまってしまうと、これが心筋梗塞というわけです。