「血圧が高い」とはどういうこと?

糖尿病と高血圧はどのような関係があるのか?

1.高血糖で循環血液量が増え血圧が上昇する 

糖値が高い状態では、体内の細胞の浸透圧が高くなっています。
わかりやすく言えば、糖分の多い血液を薄めるために、水分が細胞内から細胞外にでてきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。

2.肥満の人が多い 

肥満していると、交感神経(自律神経のひとつで心臓や血管に働きかけます)が緊張し、血圧を上げるホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)が多く分泌されるので、高血圧になります。糖尿病(2型糖尿病)の人は太っている人が多く、高血圧になりやすいのです。

3.糖尿病性腎症で血圧が上がる

糖尿病の合併症の腎症があると、腎臓から血圧を上げるホルモン(レニン)が分泌され、血液のろ過機能が低下し血液量が増えて血圧上昇します。

4.糖尿病の合併症の進行を加速する 

高血圧は、糖尿病性腎症の発症・進行も早めます。
腎臓は血液をろ過して尿を作る臓器で、絶えず大量の血液が流れています。
ですから、血圧が高いと腎臓へ多くの負担がかかってしまうのです。一度腎症が発症すると、その進行につれて血圧が上昇しますので、腎症をさらに悪化させてしまいます。
また、高血圧は網膜内の血管にも悪影響を及ぼし、網膜症の進行を加速します。

5.動脈硬化がより起こりやすくなる 

糖尿病と高血圧が心臓病や脳血管疾患に及ぼす危険性を数字でみると、健康な人の危険度を1とした場合、糖尿病で2~3倍、高血圧で2~3倍、糖尿病と高血圧があると6~7倍にもなります。

高血圧と糖尿病の関係

糖尿病と高血圧の原因は同じ場合が多い

高血圧の患者数は国内で 3,000万人といわれ、まさに国民病といえます。
同じように糖尿病も、予備軍を含めると患者数1,400万人に上る病気です。
そして、糖尿病の人は血圧が高くなりやすく、40~60パーセントが高血圧をあわせもっています。切っても切り離せない「糖尿病と高血圧」。いったいどういうことなのでしょうか?

高血圧を発症しやすい理由の一つが生活習慣です。糖尿病と高血圧は同じような生活習慣で発症しやすい病気です。
糖尿病を発症しやすい原因となる『過食』や『運動不足』は、高血圧の発症のメカニズムと同じものです。また、肥満があると糖尿病だけではなく、高血圧も発症しやすい体型です。

また、高血圧の原因としてインスリン抵抗性の影響も考えられます。
インスリン抵抗性が高く、血液中のインスリンが増えると、腎臓ではナトリウムを再吸収しようとします。その結果自律神経の一つの『交感神経}が刺激され、興奮状態となり血圧が上がるメカニズムが確認されています。

最近の研究では、糖尿病性の腎症が高血圧を誘引することが発見されています。
糖尿病性腎症があると体内の水分量が増えます。その結果血圧を上げるホルモンが分泌され、その影響でまた糖尿病性腎症が悪化するという負のサイクルとなります。
糖尿病の治療の際に高血圧の症状があると、どちらか一方がよくなることはありません。どちらも最適にコントロールすることを目標にしないといけません。
つまり双子の病気ともいえるのです。高血圧の症状があると体が重く感じます。その結果動くことつまり運動することが億劫になり運動不足で糖尿病も改善されないというようなこととなります。

血圧を下げるには?

何よりもまず、日常の生活習慣の改善が重要です。減塩・肥満解消・禁煙・運動などに気を配ることが大切です。
しかし、これらを行っても血圧が下がらないときは薬治療が必要になってきます。
高血圧に使われる薬(降圧薬)は、長期間服用することが多いので、患者さん自身も薬のことを知っておくようにしましょう

☆注意!糖尿病と高血圧は、どちらも症状のないまま進行します。
糖尿病の人は、血圧がそれほど高くない軽い高血圧でも、積極的な治療が必要です。
血糖値とともに血圧をコントロールできるか否かが、いつまで元気で生活できるか、その人の人生を大きく左右します。
糖尿病も高血圧の治療も患者さん自身の生活管理が大きな意味をもっていることを忘れないようにしましょう。

コレステロールが低すぎると危険?

コレステロールといえば悪役のイメージですが、実際はそうではありません。
人の身体にとってなくてはならないものなのです。

コレステロールの役割

  • 細胞を包む細胞膜の形成
  • 筋肉をつくるホルモンの原料としても必要
  • 栄養分の分解や吸収をする胆汁酸のもと
  • 免疫力を高める

コレステロールが足りなくなれば、身体に不都合が生じるのは当たり前です。
コレステロールが低いと神経機能の衰え、感染症の増加、最近では免疫力の低下からガンが増え死亡率が高まるという研究報告もあります。
ガンや肝炎にかかっている方はコレステロール値を通常より高め(220~280)に保つほうが良いという臨床データもあるので、むやみやたらに数値を下げればいいというものではないようです。

血液の中に、脂肪の一種であるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が増えた状態のことです。
血液中にコレステロールが多いと「高コレステロール血症」、中性脂肪が多いと「高トリグリセライド血症」と診断されます。

コレステロールが低すぎると危険?

コレステロールといえば悪役のイメージですが、実際はそうではありません。
人の身体にとってなくてはならないものなのです。

コレステロールの役割

  1. 細胞を包む細胞膜の形成
  2. 筋肉をつくるホルモンの原料としても必要
  3. 栄養分の分解や吸収をする胆汁酸のもと
  4. 免疫力を高める

コレステロールが足りなくなれば、身体に不都合が生じるのは当たり前です。
コレステロールが低いと神経機能の衰え、感染症の増加、最近では免疫力の低下からガンが増え死亡率が高まるという研究報告もあります。


ガンや肝炎にかかっている方はコレステロール値を通常より高め(220~280)に保つほうが良いという臨床データもあるので、むやみやたらに数値を下げればいいというものではないようです。

脂質が増えすぎると?

コレステロールや中性脂肪などの脂質は、血管の壁にたまって血管を詰まらせたり傷つけ、動脈硬化をもたらします。

特に、心臓の冠状動脈の血流が悪くなって狭心症や心筋梗塞などを起こす確率が高くなります。

高脂血症と糖尿病が合併すると

高コレステロールと粥状硬化

高コレステロール状態と関係があるのは主に「粥(じゅく)状硬化」です。
これは、太い動脈や冠状動脈(心臓)の中にできやすいものです。
糖尿病になると血管内が傷つきやすく、血管内に血液の固まりができやすくなります。

そのうえコレステロールが高くなるとコレステロールの結晶がたまり、その部分がはがれたりします。

傷ができた部分を修復するのに血液が固まり塞ぎますが、これでまた血液の流れがじゃまされて渦が生じてしまい、その渦状になった血液の流れが血管を傷つけたりします。

このような高脂血症と糖尿病の「相乗効果」によって、血管壁の血液の固まりが大きくなっていくと、血管の内腔が狭くなり、しまいには塞がってしまったりします。

冠状動脈の内腔が狭くなった状態では、走ったりして心臓にたくさん血液が必要な場合にも十分供給されず、血液が不足、つまり酸素不足になって危険信号としての狭心症の痛みが起こります。
完全につまってしまうと、これが心筋梗塞というわけです。