甘いものを控えれば糖尿病にはならない、そう思っていませんか?
糖尿病は、ケーキやお菓子を食べすぎるから罹るというわけではないのです。
糖尿病とは血液中のブドウ糖が多い高血糖状態が長く続く病気です。
ブドウ糖は甘いものだけでなく、主食となるご飯や麺類、パンなど炭水化物にも多く含まれています。また、何気なく口にする清涼飲料水にも多くの糖分が含まれているのです。
高血糖状態を引き起こす食品は、普段『甘いもの』と意識している食品以外にもたくさんあります。
しかし、ご飯や麺類を食べてはいけない、ということではありません。
食生活全体を見直して、糖尿病になりにくい習慣を身に付けておきましょう。
過食や不規則な食事をあらためる
糖尿病予防や糖尿病治療は、基本的に特別なことをするわけではありません。
一般的によく言われる『規則正しい食生活』を行うことです。
具体的には、以下のことに注意するとよいでしょう。
●食べ過ぎない
必ずしも、肥満=糖尿病ではありませんが、太り過ぎは糖尿病発症のリスクが高くなることは事実です。
食べ過ぎれば当然糖質の摂取過多となります。血液中のブドウ糖が多すぎる状態を防ぐには、まず余分な糖質を摂取しないことです。
いきなり食事の量を半分にするなど極端な制限ではなく、もう少し食べたいところを我慢したり、腹八分を心がけることで、適度な食事量を身につけるようにしましょう。
●欠食しない
食べ過ぎはよくないからと言って、食べないというのも良くありません。
欠食すると、空腹時間が長くなるため、身体が栄養分を溜めこもうと一度の食事で沢山の栄養分を吸収するようになります。
できるだけ決まった時間に食事を摂るように心がけてください。
栄養バランスの良い食事
リンゴダイエット、バナナダイエットなど1品だけしか食べないような食生活は厳禁です。
また、炭水化物抜きダイエットなど、大切な栄養素を全く摂取しないなど極端な食事制限も逆効果です。
身体に必要な栄養素をきちんと摂取することは、糖尿病予防だけでなく様々な病気の予防対策になります。
食後高血糖に気をつける
糖尿病や糖尿病予備軍と診断されていない、かくれ糖尿病という状態があります。
『食後高血糖』とよばれるもので、食後の血糖値が高いことを言います。
食後に測定すると糖尿病と診断される血糖値なのですが、健康診断や病院の検診などでは空腹時での測定になることが多いため、血糖値は正常と診られることから『かくれ糖尿病』とも呼ばれます。
食後の急激な血糖の上昇を抑えるためには、糖の吸収を緩やかにする工夫が必要です。
ゆっくり食べる、良く噛んで食べることの他にも、食べる順番に気をつけることで、糖の吸収をゆるやかにできます。
まず、食物繊維の多い野菜やキノコ、海藻類から先に食べ、糖質の多いご飯やパンなどの炭水化物を後にするだけでも効果があります。
また、清涼飲料水は糖の吸収速度が早いため、急激な血糖値の上昇を招きます。これを『ペットボトル症候群』といい、若い人たちの糖尿病増加の原因にもなっています。
熱中症予防のため水分摂取が推奨されていますが、糖分の多い飲料水は控えるようにしましょう。
糖尿病予防は血糖をコントロールすること、すなわち、食生活を見直すことです。
忙しく不規則な生活、手に入りやすい高カロリー・高血糖の食事など、ついおろそかにしがちな食生活ですが、少しでも『規則正しくバランスの良い食生活』を意識することが、糖尿病予防の第一歩なのです。