貧血なら鉄分の多いレバーやヒジキ、高血圧には血液をサラサラにしてくれる納豆など、病気に対して良いといわれる食材があります。
では、血液中のブドウ糖が正常値より高い状態が長く続く病気『糖尿病』を予防するためにはどんな食材がよいのでしょう。
血糖をコントロールするための食材
糖尿病治療・予防は、血糖をコントロールし、できるだけ正常値に保つことと言えます。
しかし食事をすれば必ず血糖は上昇します。糖分の高い食材を摂取しないというような極端な対策は、返って症状を悪化させることもあります。
バランスの良い食事を規則正しく摂取することを基本にし、さらに効果的な食材を盛り込んだ食生活を送るのがベストチョイスではないでしょうか。
血糖をコントロールするには、『血糖値を上げすぎない』『血糖を調節するホルモンであるインスリンの作用を強める』という2つの方法が挙げられます。
この2つの方法を実現するために、毎日の食生活に取り入れやすい食材をご紹介します。
血糖の上昇を抑える効果のある食材
食材には、急激に血糖値を上昇させるものと、血糖値の上昇を抑えるものがあります。
血糖値の上昇を抑えるには、食物繊維が効果的です。
特に水溶性食物繊維は粘性があるため、より大きな効果があります。
ワカメや昆布などの海藻類、キャベツやダイコンなどにも含まれます。
逆に血糖値を上昇させるものは、ご飯、うどん、ラーメン、パンなどの主食となるものや、ジャガイモ、里芋などの芋類などが挙げられます。
ご飯やパンなど主食を抜いてしまうのではなく、まずは血糖値の上昇を抑えるワカメやキャベツなど海藻・野菜類を食べてからご飯を食べるというように、食べる順番を工夫するだけでも血糖値の上昇を抑えることができます。
水溶性食物繊維は、リンゴやミカンといった果物類にも含まれていますので、デザートに何か甘いものが欲しいと思った時は、ケーキや清涼飲料水ではなくリンゴやミカンを食べるようにしましょう。
血糖値の上がりにくい低GI値食材
ご飯やパンなどの穀類は糖質が多く含まれているため、血糖値を上昇しやすい食材ですが、白米と玄米とでは血糖値の上昇のしやすさは異なります。
食後血糖値の上昇度を示す指標をGI値(グリセミック・インデックス)といい、GI値が低いほど血糖値が上昇しにくい食材です。
白米80に対し、玄米は55。
同じ炭水化物でもGI値の低い食材を選択することで、血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値の上昇を抑えるお茶
最近では、食後の血糖値の上昇をおだやかにする特定保健用食品(トクホ)のお茶が人気です。
厚生労働省許可、ということで、このお茶さえ飲めば血糖値が下がるようなイメージがありますが、あくまでも血糖値の上昇をゆるやかにするお茶ですので、食事と一緒に飲むことで効果を発揮します。
商品化されたものには食物繊維などさまざまな成分が配合されていますが、商品に限らず緑茶などに含まれるカテキン、グァバ茶のタンニン、サラシア茶のサラシノールとコタノールなど、血糖値の急激な上昇を抑える効果のあるお茶があります。
自然食品である緑茶やサラシア茶などを食事と一緒に摂ることも効果的です。
インスリンの作用を強める食材
血糖値の上昇を抑えるとともに、血糖を調整するインスリンの働きを強くする食材も積極的に摂取しましょう。
ミネラルのひとつであるクロムには、インスリンの働きを助ける作用があります。クロムが不足することで、糖尿病発症の要因になる可能性もあります。
クロムの多く含まれるヒジキやワカメ、アナゴなどの食材を積極的に摂取したいものです。
血糖値の上昇を抑える食材も、インスリンの作用を高める食材も、特別なものではなく、いつもの食事メニューにでているような手に入りやすい食材です。
効果の高い食材を選んで、毎日美味しく糖尿病予防を続けていきましょう。