糖尿病治療とは『食事療法』『運動療法』『薬物療法』を用いて、血糖値をコントールすること。血糖が上昇しすぎるのを防ぎ、血糖値を安定させることが目的です。
血糖が上昇するタイミングはもちろん食事。
特に近年は、食後の血糖値のみ急激に上昇する『食後高血糖』が問題となっており、食事前に検査することの多い糖尿病検査に異常が現れない隠れ糖尿病として増加傾向にあります。
糖尿病と診断された患者さんはもちろんですが、糖尿病を予防するためにも食後の血糖値には十分気をつける必要があるのです。
今回は、血糖値を急激な上昇を抑える食べもの、食べ方についてご紹介します。
血糖値の急激な上昇を抑えるには
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。
ブドウ糖のもとになる糖質を含む食べものを摂取することで、血中に吸収され血糖値は上昇します。
この現象はどんな人にでも起こる当然のことですが、糖尿病の場合、一定の値を超えて上昇したり、食後に下降するはずの血糖値が高い値のまま、といった状態になります。
血糖値の急激な上昇を抑えるには、食べ物を選んだり、食べる順番に気をつけるなど、ちょっとした工夫が必要です。
意識した食事を行うことで、糖尿病の悪化や発症を未然に防ぐことができます。
糖質の少ない食べ物を選ぶ
糖質制限ダイエット、という言葉が流行りましたが、極端な糖質制限は逆に体に良くない影響を与えるという研究結果も出ています。
全く口にしないというような極端な食生活は、何かしら良くない結果を招きやすいものですから、同じような食品の中で、比較的糖質の少ないものを選択する、という意識を持つことで、十分な糖尿病予防。無理をせず、続けていくことが大切です。
糖質の少ない食品
お肉 / 魚 / きのこ類 / 卵 / 葉野菜(レタス・キャベツ・白菜など) / 豆類
糖質の多い食べ物
ご飯 / 麺類 / パン / 果物 / いも類
主食となるご飯やパンに糖質が多いため、主食を抜いた食事にする方も多いのですが、穀類の中でも玄米や蕎麦などは、比較的糖質が少ない食品です。
ご飯を少量にしたり、全粒粉入りのパンをチョイスするなど、極端な偏食を避け、無理のない食事を心がけるようにしましょう。
食べる順番を考える
糖の吸収を抑えるには、食べる順番も重要な要素です。簡単に言えば、糖質の少ない順に食べるのがポイント。
先に野菜を食べる、というのはダイエットでもよく言われていることですが、野菜やキノコ、海藻類を先に食べることで、食物繊維が糖の吸収をゆるやかにしてくれるのです。
また、満腹中枢を刺激してくれるため、糖質の多い食品の食べ過ぎを抑えてくれる働きもあります。
飲み物に要注意!血糖値を上げる飲み物、抑える飲み物
意外と見落とされがちなのが飲み物のこと。飲み物は吸収が良いため、一番気をつけなくてはならない食品なのです。
『ペットボトル症候群』という症状が知られているように、糖質の多い炭酸飲料やソフトドリンクなどを一気に摂取することで、血糖値は急激に上昇してしまいます。特に若い人に多いのが、ご飯とお味噌汁にコーラ、といった組み合わせの食事。どんな時にも糖質の多い飲み物を好む人が少なくありません。
しかし、お茶には血糖値を抑える成分を含んだものもが沢山あります。良く飲まれている緑茶に含まれるカテキンや、番茶に含まれるポリサッカライドも血糖値を下げる成分があると言われています。他にも、グァバ茶、サラシア茶、ギムネマ茶なども、血糖値を気にする方にはお勧めのお茶。
食事のときはお茶を飲む、そんな当たり前のことで糖の吸収をゆるやかにできるのですから、ぜひ習慣にしたいものですね。