砂糖、塩などの調味料は、一回に使う量はわずかでも、毎食ごとに体に入ってきます。
血糖コントロールを良好に進めるのには、調味料を少なめに抑えて、良質の食材を使う必要があります。
中でも気をつけたいのは、次の3つです。
- ・砂糖
- ・塩
- ・油
砂糖は消化吸収が速いために、血糖値を急激に上昇させやすく、また高カロリーです。
血糖コントロール、肥満解消の両方に影響を与えるので、使用は最小限にとどめます。
みりんも同様な作用があります。
塩はカロリーゼロの調味料ですが過剰に摂取すると高血圧を引き起こします。
高血糖と高血圧は誘発しあう関係にあり、症状が進むと、腎症や網膜症などの合併症、さらには動脈硬化を引き起こします。
塩の使用量も控えめにして、漬物や梅干等の塩分の高い食品も適量にしましょう。
オイル等については、バターやラードなどの飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロールを増やし動脈硬化を促進します。
オリーブオイル等の植物性の不飽和脂肪酸を適量使うことにより、血液のドロドロ状態を予防できます。
酢に含まれる酢酸やクエン酸には、糖代謝を活性化させる働きがあります。
塩分過多になりやすい漬物は少なめにして、代わりに酢の物を摂りましょう。
高血糖に人には、もともと甘い物好きが多いので、「砂糖を控えろ」と言われても、ある日を境に砂糖を絶つのは非常に困難です。
外食やお菓子類に関しては、砂糖が多量に含まれる食品を我慢するにしても、家庭では体が自然にほしがる甘みを取るほうがストレスが貯まることなく食事療法も長続きします。
幸い近年は、様々な低コレステロール甘味料が発売され、砂糖と同様の甘みを低カロリーまたはカロリーゼロで取れる食品があります。
少し前までは、長時間の調理や強い火力には適さないものもありましたが、最近は煮物料理やお菓子作りにもちいても、風味等に遜色のない甘味料が登場しています。
この種類の甘味料の効能は、
- ① 血糖値上昇を抑制する
- ② 過剰なインスリン分泌を控え、すい臓の疲労を防ぐ
- ③ 肥満を予防する
などです。適量を使うと食事療法の助けとなります。
塩はできるだけ控えましょう。(1日10g以下)
塩には、砂糖のような代用品はありませんが、近年は品質のよい自然塩や岩塩がたくさん出回っています。
このような天然塩と工業的な精製塩の大きな違いは、ミネラルの含有量です。
塩の成分は、ご存知のようにナトリウムですが、高血糖の人はナトリウムに対する体の感受性が高まっているので、成分のほとんどがナトリウムの工業塩をとると血圧が上がりやすくなります。
一方、ナトリウムのほかに、マグネシウムやクロム、マンガンなどのミネラル類を豊富に含む天然塩はバランスの取れた栄養成分です。
血圧上昇を抑えたり血糖コントロールにもよい影響を与えます。