糖尿病患者の方はインスリン注射と聞くと、「絶対に打ちたくない」とか、「怖いもの」と否定的に捉えていませんか?
インスリン注射に対してこのような拒否反応を示す方が多いことは事実です。
インスリン注射は本当に怖いものなのでしょうか。
きちんとした情報を聞く前に、思い込みだけで「怖いもの」と思っていませんか?
また、「1度打ったら一生やめられない」とか、「インスリン注射を打っている人は重症患者」などの誤った認識を持ってはいませんか?
正しい知識を持った上で自分に合った治療法をもう一度見直してみる良いきっかけになることを願っております。
インスリンが必要な糖尿病患者
1・Ⅰ型糖尿病患者(インスリン依存型)
インスリン分泌がまったくないか、あるいはごくわずかしかないため、インスリンを注射しなくては生命を維持することができない患者。
自分の体内でインスリンが分泌されないので、人工的に外から補充してやらなければなりません。
2・Ⅱ型糖尿病患者(インスリン非依存型)
インスリンの分泌量が不足していたり、インスリンを円滑に利用できない (インスリン抵抗性がある)タイプの患者をⅡ型糖尿病と呼びます。
Ⅱ型糖尿病患者で食事・運動・薬物療法をしても十分な効果があらわれない場合、インスリン注射をします。
インスリン注射は絶対イヤ?!
Ⅱ型糖尿病患者の中で血糖コントロールが悪ければ、治療法はインスリン療法に切り替わります。
しかし、ほとんどの場合、インスリン注射となると抵抗を感じる人が多いようです。
それはなぜでしょうか?
昔はインスリン療法というと、重症患者用と思い込まれていたせいです。
「インスリン注射しなければならない程重症になってしまったのか」と落ち込みます。
また、「インスリン注射はいったんはじめると一生やめられない」など間違った考えや偏見を持ったためです。
インスリン注射はいったんはじめると一生やめられない?!
いいえ、そうではありません。
糖尿病が進行し、血糖降下剤だけでは血糖が改善しない場合、医師はインスリン注射を勧めます。
最近は以前より早い段階でインスリン注射を開始する傾向があります。
高血糖の状態が続き、一時的に膵臓からのインスリン分泌が抑えられている場合は、インスリン治療によって血糖コントロールが改善すればまた膵臓からインスリンが分泌されだして、インスリン注射が必要でなくなることもあります。
ですから、主治医の先生がインスリン注射をしましょうと言われたらとにかく試してみることです。