低血糖は”薬の副作用”ではなく”薬の効きすぎ”が原因

低血糖はブドウ糖の消費が急速に過ぎた時、血中へのブドウ糖の放出が消費量よりも少ない時、血中に過剰なインスリンが放出された時に起こります。

糖尿病患者の中でもインスリン注射を打っている人やSU剤を服用中の人は薬の効き津技に気をつけなければなりません。

αグルコシダーゼ阻害剤を服用中の人も他の糖尿病薬との併用によって低血糖が起こることもあります。

食事が摂れなかった時、朝食前の運動時、シックディ時は低血糖になりやすくなっています。
また、糖尿病の方は血糖を上げる拮抗ホルモンの分泌能力が低下していることもあって血糖値が上がりにくくなっています。

低血糖はアドレナリンというホルモンの分泌が原因

低血糖になると血糖値を上げようとアドレナリンというインスリン拮抗ホルモンを分泌します。
このホルモンによって震え、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、ぼんやりという症状が出てきて、さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)などが見られます。

低血糖になったら?

低血糖状態を感じたらすぐ、ブドウ糖10gまたは砂糖10~20g、糖質を含むジュースや清涼飲料(約200ml)を飲んで下さい。
飴やキャラメル、チョコレートは吸収が遅いのであまりお薦めは出来ません。
糖尿病患者が意識障害に陥ることもあるので、その時は家族や身近な人がグルカゴンの注射などを打たなくてはなりません。

※αグルコシダーゼ阻害剤(商品名/ベイスン、グルコバイ)など等の分解を遅延させる薬を、他の糖尿病薬と併用中の方が低血糖になった場合、砂糖ではなくブドウ糖を摂取しなければなりません。ブドウ糖はスポーツドリンクや「コーラ」、「ポカリスエット」などに添加されているので一度確認してみて下さい。

低血糖の予防

  • 1・薬の用法、用量を守ること
  • 2・朝食前の運動は避けましょう
  • 3・食事時間が遅れる時は補食をします
  • 4・インスリン注射の量を勝手に増やさない
  • 5・飴やキャンディを常時持ち歩きましょう
  • 6・薬物療法を行っている方は、家族や職場、身近な人に低血糖になった時の対応を頼んでおきましょう

規則正しい生活を日々心がけると共に、低血糖に対する正しい知識を身につければ低血糖もそれほど怖いものではありません。
低血糖を恐れて高血糖状態を放置しておくと合併症が進むことがあります。
低血糖を恐れず、血糖コントロールをすることを心がけましょう。