「インスリン注射」となると、悲観的になる患者さんが多いものです。
「飲み薬では治らないか」と医者に言ったり、おまけに周りから「いったん打ちはじめたら止められない」などと聞くともう「絶対打ちたくない!」となるのがあたりまえです。
いいえ、そうではありません。
インスリンが不足していて適切な食事と運動でも血糖値が上昇してくる人には、インスリンを使った方がいいのです。
それは、すい臓を休ませることによって、ある程度機能の復活が期待できるからです。
逆にインスリン不足だとすい臓がインスリンを出す力も弱り、悪循環になります。
糖尿病の飲み薬がいろいろ出ていますが、どれも副作用が少なからずあり、安全とはいえません。
食事・運動療法をしていてもなおかつ血糖値が上昇してくる場合には、迷わず少量からでもインスリンを使用することをお勧めします。
【糖尿病の理想的な治療】
1・健康的で明るいイメージで糖尿病にとり組みましょう。
2・ストレスは、できるだけためないようにしましょう。
3・自分自身に必要な各栄養素を過不足なく、毎食、楽しく食べましょう。
4・運動の習慣を身につけましょう。
(※人によっては、運動が病状を悪化させるため、医師の指導を受けることをおすすめします。)
5・血糖自己測定を生活にとりいれ、厳格な血糖コントロールを目指しましょう。
6・合併症を防ぐためにも定期的な検査を怠らないようにしましょう。
7・長期の根気良い治療が大切です。
※上記の項目をひとつでも多く実現できるか否かが、今後の糖尿病治療に大きく影響を与えることでしょう。
糖尿病は、今は症状がほとんどなくても、5年後、10年後あるいはもっと後で、今行っている治療方法の影響が出てきます。
糖尿病であっても努力次第で健康な人と全く同じ生活が送れるものだということを忘れないようにして下さい。