糖尿病になる原因は食事にアリ!

糖尿病と診断されると、食事療法が基本治療となります。

それほど、糖尿病と食事とは密接な関係にあり、糖尿病になる原因は食事にあるとも言えます。どんな食事が糖尿病を発症させるのか。

予防するためにはどんなことに気を付ければいいのか。

また、糖尿病予備軍(境界型糖尿病)といわれる高血糖の方が気をつけるべきことなど、糖尿病と食事の関係について考えてみましょう。

糖尿病には、食べてはいけない物は無い?

糖尿病の食事療法というと、甘いものやカロリーの高いものを食べてはいけない、と思われがちですが、『糖尿病だからダメ』とか『糖尿病に効く』という食品はありません。

気をつけなければならないのは、食品よりも『血糖値』です。食事を摂ることにより血糖値は上昇しますが、『急激に上げない』『上がり過ぎないようにする』ことが大切なのです。

では、どうすれば血糖値をコントロールすることができるのでしょう。

食べ過ぎ注意!

血糖値が上がりすぎる第一の原因は食べ過ぎです。必要以上のカロリーを摂取すれば、当然基準値よりも血糖値は高くなります。まずは適切な摂取カロリーを知ることから始めましょう。

1日に必要な摂取カロリーは、『身長』『体重』『身体活動レベル』から算出します。一般的な成人の摂取カロリーの目安は、約1,800kcal~2,200kcalといわれています。

1日の必要摂取カロリーの目安

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

摂取カロリー=標準体重×身体活動量

※身体活動量

低い(あまり体を動かさない、事務や家事など)=25~30kcal
普通(座って行う仕事が中心で、立ち仕事などもある)30~35kcal
高い(力仕事の多い仕事)35~40kcal

食べ過ぎや肥満の人は必ず糖尿病になる、というわけではありませんが、発症の大きな要因であることは事実です。食べ過ぎていることに気が付いていない人も多いため、まずは自分の必要摂取カロリーを知り、ちょうど良い食事量を心がけてください。

糖尿病治療の基本は栄養バランス

カロリー制限をする際、ご飯や麺類、肉類を食べなければ良い、と考える人もいますが、これは大きな間違い。炭水化物、脂質、たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、身体を動かすエネルギー源として欠かすことのできない、重要な役割を持った栄養素です。これにビタミン、ミネラルを含めた五大栄養素を、バランス良く摂取することが重要です。

日本では昔から『一汁三菜』が基本の形でした。ラーメンだけ、丼ものだけ、など1品だけで済ますのではなく、できるだけ『ご飯』『お汁物』『おかず3種(主菜、副菜、副々菜)』の一汁三菜を心がけ、栄養バランスの取れた食事を摂るようにしましょう。

また、食物繊維は食後の血糖値上昇を緩やかにする働きを持っているため、海藻や野菜など食物繊維の多く含まれ
ているものから食べ始めると効果的です。

時間に気をつける

一度に沢山のカロリー摂取を控え、『朝・昼・夜』1日3食均等に分けて食べることが大切です。一定の時間をあけて規則正しく食事をすることで、血糖値を安定させることができます。

よく噛んでゆっくり食べることもポイント。満腹中枢が刺激され、『お腹いっぱい』と感じるまでには、約15~20分の時間を要すると言われています。早食いをすると、満腹を感じるまでの間に、つい食べ過ぎてしまう傾向にあります。

満腹中枢が刺激されるのを待つようにゆっくり食べることで、過食を抑え、血糖値の上昇も緩やかになります。

低GI値食を取り入れる

最近注目されているのが、GIという考え方です。GIとは、食後の血糖値の上昇度しやすさの指標のことです。ブドウ糖を100とし、GI値が高いほど血糖値は急激に上昇し、低いほど血糖値の上昇は緩やかになります。

例えば、主食を白米よりもGI値の低い玄米に変えたり、麺類ならうどんよりもGI値の低いお蕎麦にするなど、GI値の低い食品を積極的に摂ることも糖尿病予防・改善に効果的です。

規則正しく、バランスの良い食生活を送ることが、最大の糖尿病予防・改善となります。このような食生活は糖尿病だけでなく、生活習慣病予防や肥満予防にも効果があり、健康的な生活を送るための理想的な食事と言えます。

糖尿病の心配のない方も、この機会に今の食生活を見直してみてはいかがでしょう。

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