自覚症状に乏しい糖尿病。検診や健康診断などで初めて自分が糖尿病であると知らされる方も多いのです。
しかし、これといった痛みや不具合がないため、そのまま放置している方も少なくありません。
特に糖尿病予備軍と呼ばれる境界型糖尿病の場合だと、『まだ糖尿病ではない』という意識が働き、安心してしまうことも。
そのまま高血糖の状態が続けば糖尿病を発症する確率は極めて高くなります。
糖尿病を放っておくと、どうなるのでしょう。
取り返しのつかないことになる前に、糖尿病について詳しく理解しておきましょう。
何の症状もない糖尿病
糖尿病はほとんど場合、発症時に自覚がありません。食生活や生活習慣により高血糖状態が長く続き、徐々に糖尿病に近づいていくためです。
血液中の糖濃度が高くても、痛みや不具合はほとんどありません。
糖尿病が進行していくについれ、のどの渇きや身体のだるさを自覚する場合もありますが、さらに深刻な神経障害や網膜症などの合併症を引き起こし、その症状によってはじめて糖尿病が発覚することもあります。
また、境界型糖尿病や軽度の糖尿病と診断されても、命にかかわる病という危機感が薄いため、そのまま放置してしまうのです。
糖尿病は脳梗塞や心筋梗塞、網膜症、腎症、神経症など重篤な病気を引き起こす最大の要因です。
軽く考えずに、必ず検診や健康診断を受け、境界型糖尿病と診断された場合でも、しっかりと糖尿病治療を行うことが大切です。
糖尿病は生活習慣病
糖尿病を放っておいて、自然治癒することはほとんどありません。なぜなら、糖尿病発症の原因の多くは、生活習慣と深い関わりがあるからです。
そのままの状態で過ごしていくことは、糖尿病を悪化させていることに他なりません。
生活習慣の改善なくして、糖尿病の予防や治療は困難なのです。
食事の量や食材、運動不足の改善など、長年の習慣を変えることは並大抵ではありません。自分の意志だけでは長続きしにくいものですから、できるだけ医師の指導を仰ぎ、家族の協力のもと、治療を行うようにしましょう。
糖尿病で後悔しないために
『病院へ行くのが面倒くさい』『このまま好きな物を好きなだけ食べたい』『運動は大嫌い』など様々な思いや言い訳で、糖尿病を放置していませんか?
確かに糖尿病治療は、今までの生活を一新しなくてはいけません。
しかし、いやだからと言って放っておくと、命にかかわる大変な病気なのです。
糖尿病は自然に治ったりしません。そのまま放置しておけば、ほとんど場合は進行が進み、様々な合併症を発症し、必ず後悔することになります。
しかし、境界型糖尿病や軽度の糖尿病のうちに生活を改め、糖尿病治療に専念すれば、健康な人と同様の生活ができるようになる可能性は極めて高いのです。
『まだ糖尿病ではないから』『まだ軽度だから』といって放置するのではなく、今がチャンスと考えて、糖尿病予防・治療をしっかりと行いましょう。