糖尿病や糖尿病予備軍と診断されたら、医師の指導のもと、適度な運動を行います。
運動は糖尿病予防にも効果があるのでしょうか。
また、運動だけで糖尿病は改善・予防できるのでしょうか。
ここでは、運動と糖尿病のかかわりについて考えてみます。
なぜ糖尿病に運動が有効なの?
糖尿病の治療に運動療法は欠かせません。
糖尿病は血中のブドウ糖の値が高くなり、その状態が長く続く病気です。
このブドウ糖を標準値に保つのが糖尿病治療といえます。
運動をすることにより血中のブドウ糖が筋肉で消費され、血糖値を降下させることになります。
とくに食後の運動は、急激な血糖値上昇を抑制することができるため、食後高血糖(かくれ糖尿病)には非常に有効です。
血糖値の上がりやすい食後30分~1時間に、20分~30分程度の運動をするのが効果的といわれています。
糖尿病治療のための運動は、ほとんどの場合有酸素運動が中心となります。
有酸素運動とはウォーキングやサイクリングなど、全身を使った軽・中度の運動のことをいいます。
簡単にできる運動ですので、どなたにも生活習慣に取り入れやすい運動といえますが、継続して行うことが重要です。
毎日の運動を心がけて、運動を習慣化しましょう。
また、糖尿病は肥満とも密接に関わっています。
肥満は血糖値上昇を抑えるインスリンが効きにくくなったり、恐ろしい糖尿病合併症を引き起こす要因となります。
このようなリスクを軽減するためにも、運動を続けて肥満を解消しましょう。
糖尿病予防にも運動を!
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型糖尿病の発症原因は不明で、ある日突然急激に発症する病気です。
1型糖尿病は糖尿病患者の5%ほどといわれており、一般的に『糖尿病』と呼ばれているのは2型糖尿病の方です。
2型糖尿病は、ある日突然発症するというような病気ではなく、ほとんどの場合は生活習慣により徐々に進行していきます。
ですので、糖尿病治療は糖尿病の予防にも非常に効果的です。
毎日のウォーキングやサイクリングは、健康を保つためにも最適な運動ですので、糖尿病治療や予防のためだけでなく、健やかな日常生活を送るためにも是非取り入れたいものです。
運動で糖尿病は防げるの?
しかし、運動しているからといって糖尿病にならないとはいえません。
糖尿病治療は『運動療法』とともに『食事療法』『薬物療法』を合わせて行います。
運動だけでなく、血糖に直結する食事もコントロールしなくては、改善は非常に困難なものとなります。
糖尿病予防を考えたとき、食事や運動など生活習慣全体を見直す必要があります。
健康的なバランスの良い食事をゆっくり摂取し、食後に軽い運動を取り入れた生活を続けることが、糖尿病予防に最も効果があるのです。