高血糖ってどういう状態?
血糖が上昇し、正常値をはるかに上回る値が続くと高血糖になります。高血糖状態が頻繁に起こると、糖尿病が「コントロールできない」という状態になります。
具体的には血糖値が350mg/dl以上あれば高血糖と言われる状態です。
高血糖は糖尿病なら誰にでも起きる可能性がありますが、頻繁に起こるようであれば注意が必要です。
血糖は様々な要素が原因となって変化します。次の項目を確認してみましょう。
◎血糖に変化を及ぼす要因
過食
運動不足
精神的ストレス
身体的ストレス
糖尿病の薬の不足
糖尿病の薬の種類が体にあっていない
肝臓が糖を作りすぎる
また、血糖値を上げてしまう薬が数多く存在します。
体調を崩して服用した薬によって高血糖が引きおこされる場合もあるので、市販薬や他の病気で薬を処方された時は医師や薬剤師に相談しましょう。
高血糖の症状
高血糖で気をつけるべき点は、血糖値が高すぎても特に体調が悪くならないということです。
高血糖の症状があっても、軽度であるか、非常にゆっくりと現れるため、気がつきません。
したがって定期的に血糖を測り、次のような症状がないかチェックすることがとても大切です。
◎高血糖に起こる症状
空腹感やのどの渇きが強い
夜、尿の回数が増えた
皮膚が乾燥する、かゆみがある
疲労感があり、眠けがある
目がかすむ
かぜなどの感染症にかかりやすい
傷の治りが遅い
高血糖の治療
高血糖であれば、すぐに治療と対策が必要です。高血糖状態を放置していると糖尿病性合併症を発症するリスクが高くなるので、すぐ医師に相談しましょう。
◎治療のポイント
運動療法を取り入れる
食事療法を徹底する
薬の種類や量を変える
血糖検査を頻繁に行い、その結果に細かく対応する。
いずれも自己判断ではなく、医師の指示を充分に仰いで実行しましょう。
1型糖尿病の人に起こるケトアシドーシス
ケトアシドーシスは主に1型糖尿病患者に起こる深刻な状態です。ケトアシドーシスとは、血液中のケトン値が高くなり、体が強い酸性になった状態をいいます。
この「ケトン」とはインシュリンが不足すると体脂肪から作られる物質で、インシュリンによって糖が吸収できないので、エネルギーとして燃料として体脂肪を燃焼させる働きがあります。
ケトン値が高くなった時にインシュリンを十分に補なわないと、次のような状態になる場合もあります。
・ 血糖値が上昇し続ける。
・ ケトンが血液中にたまり、体の組織が強い酸性になる。
・ 細胞が損傷を受け、重大な病気や時によっては死を招く可能性もある。
ケトアシドーシスは、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかっている時や、強いストレス下にある時に、急激に発症します。
このような場合は数時間おきに血糖値と尿ケトン体を検査することが大切です
ケトアシドーシスの症状
ケトアシドーシスが発症した場合、次のような症状が出ます。該当する場合は血糖値と尿ケトン体を検査するか、直ちに医師にかかりましょう。
・ いつもより空腹と喉の渇きを感じる。
・ 尿の回数が多くなった。
・ 吐いたり、胃がむかむかする。
・ 胃やおなかが痛い。
・ 息が果物の匂いがする。
・ 呼吸が苦しい。
・ 熱がある。
ケトアシドーシスの治療
ケトアシドーシスは自分では治療できないので、血糖値が250 mg/dlを超え、かつ尿にケトン体が出ていればすぐに医師にかかりましょう。
医師に連絡できない場合は、すぐに救急車を呼んで専門医の診察を受けましょう。