足にあらわれる糖尿病の症状

糖尿病にあらわれる症状として、特徴的なもののひとつに、足のしびれやむくみ、巻き爪などがあります。

足のしびれ・むくみなどは、日常生活でも起こりうる症状ですので、そのまま見過ごしてしまわれがちです。

どうして糖尿病になると、足にさまざまな症状が現れてくるのでしょう。また、どのような場合に強く糖尿病を疑った方が良いのでしょう。

すでに糖尿病を患っている方や糖尿病に不安のある方は、足と糖尿病の関係を知ることで、些細な症状からも糖尿病を自覚したり、合併症を早期発見できる確率が高くなります。

足と糖尿病の関係

糖尿病は血液中の糖度が高い状態が継続される病気です。高血糖の状態が長く続くと、血液の流れが悪くなり、末梢まで血液が十分に行き渡らなくなります。
心臓から遠い足や手は、血流低下の影響を受けやすい場所なのです。

血流が低下すると、生命活動に必要な酸素や栄養素が届かない状態になり、血流の悪い人によく見られるような手足の冷え、しびれがおこりやすくなります。
また、身体が冷えた状態が続くと、免疫力が低下し、ウィルスや細菌などに感染しやすくなります。足に感染しやすい代表的な細菌『白癬菌』は水虫の原因となり、爪に侵入すると巻き爪の症状が現れます。

冷えやしびれ、水虫や巻き爪は、普段の生活でも発症しやすく、なかなか糖尿病と結び付けにくいものですが、『なんとなくだるい』『立ちくらみがする』『視力が低下した気がする』など、足だけでなく全身に気になる症状を自覚するような場合には、尿糖検査を行ってみてください。

糖尿病により現れる足の症状

糖尿病が原因で現れる足の症状には、初期段階で自覚するものと、糖尿病が進行し、合併症を発症してから現れるものがあります。

糖尿病は自覚しにくいため、糖尿病を患っていることに気づかず、糖尿病神経障害という合併症の症状から、初めて糖尿病と診断されるケースも少なくありません。

糖尿病の初期に起こりやすい足の症状

水虫、巻き爪

タコができやすい

かかとのひび割れや皮膚の乾燥

糖尿病神経障害により起こりやすい足の症状

しびれ、冷え

足がつる、こむらがり

感覚が鈍い、麻痺している感じ

ケガをしやすい、ケガに気付かない

糖尿病時に気をつける足のケア

足の異常に気づくことは、糖尿病の早期発見に役立ちますが、糖尿病と診断された後も、足のケアは特に重要になってきます。

糖尿病の進行が進むと、痛みや温度の感覚が鈍くなり、ケガをしていても分からないという状態になるためです。
手や顔などは、普段の生活でも目に入るため異常に気がつきやすいのですが、足の指や足の裏などは、意識しないと日常生活で見落としやすい箇所です。

ちょっとしたケガでも、気づかずそのまま放置していると、悪化して潰瘍や壊疽になりやすくなります。

足は『靴ずれ』『水虫』など、ケガや感染症の要因が沢山あります。ご家族に水虫の方がいる場合には、お風呂や洗濯などはしっかりとルール決めをしておくことが重要です。

また、毎日必ず足の点検を行い、壊疽・壊死にならないようしっかりとケアしておきましょう。