世界でも有数の糖尿病大国、日本。
40歳~50歳の中年男性が発症する生活習慣病として認識されていますが、近年では中高生の若年層でも増加傾向にあります。
生活習慣の悪化が若年層にまで及んでいるとも言えるのです。
若年疾患は中高年と比べ、進行が速い可能性が高く、早期発見・早期治療が求められます。
若いからといって糖尿病の可能性を否定せず、少しでも心当たりがあれば、迷わず医師の診断を受けるようにしましょう。
若年層に多い1型糖尿病
糖尿病には1型と2型があります。
生活習慣病などが原因で発症するような、通常よく言われる『糖尿病』は2型を指し、糖尿病の90%以上がこの2型糖尿病です。
1型糖尿病は小児・若年者に多く、インスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されてしまう病気で、風邪やおたふくかぜのウィルスが原因とも言われていますが、詳細ははっきりと解明されていないのが現状です。
1型も2型もインスリンが枯渇するという状態は同じですが、ゆっくりと進行していく2型糖尿病に対し、1型糖尿病を発症すると症状は急激に進行します。
また、生活習慣の改善により進行を食い止めることもできる2型とは異なり、1型糖尿病はインスリンが分泌されなくなるため、インスリン注射が欠かせません。
1型糖尿病は若年層に多いため、若い人は1型糖尿病で中高年は2型糖尿病と思われがちですが、それは間違いです。
また、1型糖尿病はやせ型が多く、2型糖尿病は肥満型が多いという傾向にありますが、最近はやせ型でも2型糖尿病を発症することもありますので、体調の異変を感じたときは自己診断をせず、必ず病院で診てもらうことが大切です。
増える若年発症2型糖尿病
近年問題になっているのが、若年層に増加している2型糖尿病です。
以前は若年発症の糖尿病の多くは1型でしたが、最近は2型糖尿病の割合が増加しているのです。
2型糖尿病の原因のひとつは生活習慣であるため、若い人たちの間でも運動不足や偏った食生活を送っていることが伺えます。
中高年になれば『糖尿病』という言葉が脳裏をよぎるようになり、少しずつでも食事に気をつけたり予防のための対策を行うものですが、若いうちは全く発症のリスクを考えていないため、糖尿病に近づいてしまうことも原因といえます。
糖尿病は年齢や性別に関係なく発症する怖い病気であることを、もっと認知する必要があるのではないでしょうか。
ペットボトル症候群
コンビニの普及、24時間好きな物が食べられる環境。甘くて食べ応えのある食生活への誘惑は尽きません。
自分自身で気をつけなければ糖尿病発症へ一直線かもしれません。
特に気をつけたいのが清涼飲料水です。
ペットボトル症候群という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。現代病の筆頭として取り上げられることの多い症状です。
砂糖や糖質のたっぷり入ったペットボトル清涼飲料水は、若い人たちの間では当たり前の飲物。ご飯に炭酸飲料という組み合わせも、決しておかしくない世代なのです。
吸収されやすい砂糖の入った飲料水を継続的に飲み続けることで、急性糖尿病を発症する危険性が高まります。
また、高血糖によるのどの渇きから、更に清涼飲料水を飲み続けるという悪循環に。。。
若いのだから糖尿病にならない、のではなく、若いからこそ糖尿病になるという現実を理解し、ご飯のときはお茶を飲むなど、食生活や生活習慣を少しずつ改善していく努力が必要なのです。