糖尿病の三大合併症といえば

  1. 目(網膜症)
  2. 腎臓(腎症)
  3. 神経(神経障害)です。

神経障害というのは精神病のことではなく、主に末梢神経が侵されることを指します。

神経障害の要因の一つとして考えられるのは、高血糖のため神経細胞にソルビートルと呼ばれる物質がどんどん貯まり、結局神経細胞が侵されるというものです。
また神経繊維に栄養を供給している細小血管に障害が生じるのも神経障害要因の一つと思われます。

糖尿病患者が一番多く悩まされるのがこの神経障害です。

神経障害の症状として最も多く、わかりやすいものとしては、足の先がしびれる感じや痛み、ジワジワ焼けるような感覚などがあります。

痛みは昼間より夜間の方が強くなるようです。

また、足がつったり、こむら返りを起こしたりもします。
手足の感覚が鈍り針を刺しても痛みを感じなくなったり、冷たさや熱さに対して感覚が低下する場合もあります。 歌手の村田英雄さんが糖尿病で足を切断したというニュースは決して他人事ではありません。

神経が侵されると立ちくらみ、下痢や便秘、排尿の回数減少、排尿後の不快感などの症状が現れます。

非常に稀なケースですが、男性の精力減退やインポテンツなどの要因ともなります。

様々な神経障害

1.もっとも起こりやすい末梢神経障害

神経の仕組み

人間の神経は脳や脊髄からなる中枢神経、手足に張り巡らされた末梢神経、暑さ寒さを感じる知覚神経、内臓の働きや発汗などを調節する自律神経などがあり、それぞれ大切な役割を担っています。上記の神経の中でも中枢神経は糖尿病ではあまりおかされる事はなく、もっとも起こりやすく患者さんを悩ますのが、末梢神経障害です。

末梢神経障害の特徴

特に神経のもっとも末梢の部分である足のしびれや痛みなどの知覚障害が多く、これは足先に、ジンジンした感じ、チクチクした感じ、あるいはピリピリ、ビリビリと電気が走るような感じが生じます。また、痛みなどに対する感覚が鈍くなったり、なくなってしまう場合もあります。
一般にこれらの症状は夜間や安静時の方が激しくなり、左右対称性に、つまり両足に、ほぼ期を同じくしてあらわれます。糖尿病罹病期間が長ければ長いほど、血糖コントロールが悪ければ悪いほど症状は強くあらわれます。

2.全身に多様な症状を引き起こす自律神経障害

自律神経は、心臓や胃、膀胱、血管などの働きを微妙に調節している神経です。
これらに障害が起きるわけですから、体の全ての臓器に異常が生じるわけで、症状は様々です。

自律神経障害の症状

  • 【立ちくらみ】
  • 【狭心症のいたみがなくなる】
  • 【胃のもたれ】
  • 【下痢・便秘】
  • 【インポテンツ】
  • 【汗の異常(汗をかく、または汗をかかない)】
  • 【膀胱障害(出にくい)】

これらの症状は、患者さん自身、初めのうちは気づかない事が多いのですが、重症になると大変やっかいな事になります。

★「立ちくらみ」に注意

朝起床するとき、急に血圧が下がって脳貧血のような状態になり、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。これは「起立性立ちくらみ」といわれるもので、訴えの多い障害です。
立ちくらみを防止するためには、寝床から一気に起きあがらず、いったん座り直して一呼吸おいてから立ち上がるようにします。
立ちくらみは、低血糖の症状と間違えやすいので、注意しなくてはなりません。