成人の失明原因のトップは糖尿病

糖尿病の進行は非常に緩やかなので、多少いわれても放置する人が多いようです。そして気がついた時には様々な合併症を発症していて後悔するのです。

成人になってから失明する原因の第1位は糖尿病です。

視覚障害による「身障者手帳」交付を受けた人の内、糖尿病性網膜症によるものが2,986人(18.3%)にのぼりました。
糖尿病と目に何の因果関係があるのかと、不思議に思われるかもしれません。
糖尿病になると血液内の糖分が異常に増えた状態が続きます。
ですから細い血管がまずダメージを受けることになります。糖尿病は血管の病気とも言えるのです。

目の毛細血管に悪影響を・・

目の奥にある網膜はカメラのフイルムにあたる部分です。
網膜は光の強さや色を感じ取り、その情報を脳に送ります。
網膜にはたくさんの毛細血管が張り巡らされており、糖尿病によってこの毛細血管が至るところでコブのようにふくれあがります。
この段階では視力低下を自覚することはほとんどありませんが、網膜症がすすむと網膜の毛細血管がふさがってしまいます。血管がふさがると網膜が酸素不足になります。
それを解消しようと新しい血管がつくられますが、この新しい血管はもろく出血を起こしやすいのです。

大出血を起こせば失明につながります。

大出血までいかなくても出血を繰り返せば網膜剥離を起こして失明する場合もあります。
血糖コントロールをしっかり行わないと6~10年で約半数の糖尿病患者が網膜症にかかると言われています。
網膜症以外にも糖尿病による目の障害としては白内障や緑内障があります。
失明にまで至ってしまうともう二度と光は見られません。
統計によると日本では1,000人の糖尿病患者のうち3人(0.3%)が失明していることになります。

この数字、多いと見ますか?少ないと見ますか?

加齢とともに進行する糖尿病

加齢とともに臓器機能や体力の低下、病気が進行、発症したりするのは当たり前のこと。
糖尿病も例外ではありません。加齢は糖尿病誘因の一つです。
統計で見ますと、加齢とともに糖尿病の頻度は増加し、60歳をこえると男性でも、女性でも糖尿病の頻度は15%程度となります。すなわち、6人の高齢者のうち1人は糖尿病なのです。
現在、日本では約690万人の糖尿病患者が存在し、そのうち53%、365万人は60歳以上と推定されています。

加齢と共に進行する糖尿病

インスリン分泌量の不足

すい臓機能の低下などからインスリンの分泌量が不足します。

インスリン抵抗性の出現

一般に加齢そのものや、加齢に伴い筋肉が減少するとともに相対的な脂肪の増加をみます。
脂肪組織がインスリンの効き目を悪くします。
すなわちインスリン抵抗性は加齢現象のひとつと考えられています。
それに加え、恒例になると運動量も減ってきますので、ますますインスリンの効き目が悪くなり糖尿病の危険が高くなります。

加齢に伴う歯周病と糖尿病の相互の関係

加齢とともに歯周病にかかりやすくなります。
これは、加齢によって口の中の組織も弱くなること、細菌などの動きが弱まらず感染症にかかりやすくなることなどが原因であると考えられています。
細菌に感染した状態(虫歯や歯周病のある状態)では、インスリンに対する体の反応が悪くなり、血糖値が高くなりやすくなります。

★高齢であっても、よいコントロールの維持に努めれば、合併症の進展を確実に防げるだけでなく、気分も快適になって生活しやすくなるなど、精神的にも良い効果があることがわかっています。高齢者だからとあきらめずに、まだたくさんある可能性に向かって積極的に挑戦し、納得のいく人生にしていきたいものですね。