エスキモーは、糖尿病の人がいない

彼らは穀物を食べることができません。

エスキモーとは「生肉を食べる人」という意味で、アラスカやグリーンランドなど、北極圏に住む彼らの多くは、今もアザラシの生肉を主食としています。 彼らの生活する地域は、非常に寒い地域ですので穀物等を栽培して生活すること、つまり農耕的な暮らしは不可能です。したがって、食料の大半を採取した獲物(動物・魚類)からしか得られませんでした。

当然、食糧は炭水化物はほとんど無く、高脂肪で低糖質の食糧ばかりでした。彼らは、炭水化物(糖質)抜きで、十分生きていくことができているのです。

我々の祖先、といっても最近まで・戦前までの人々も十分な栄養価の高い食生活をしてきたわけではなく、絶えず腹を減らし、栄養価の低いものを、細々と食べて生きながらえてきました。その時代には、糖尿病というものは皆無であり、貧しい時代には考えられなかった病気でした。現在の人々は、高糖質で高栄養価の食事を、運動不足の中で体内に取り入れています。今、現在の食生活が良すぎること(糖質が多すぎる食事)が、糖尿病の原因だと思われます。

まずは、食事を見直しましょう。

糖尿病になる要因・原因とは?

糖尿病はなぜ発病するのか?

これについては、生まれつき糖尿病にかかりやすい素質(遺伝的な体質)を持っている人が、 糖尿病を起こす何らかの誘因(引き金)に出会って発病する、と考えられています。
糖尿病にかかりやすい素質といっても、それを持っている人が必ず発病するわけではありません。
あくまで、糖尿病になりやすいか、なりにくいかといった程度の問題です。
ただ、親戚や肉親に糖尿病の人がいる場合には、より発病の確率は高くなります。

1.肥満

肥満は糖尿病の発病の誘因として最も多いものです。
肥満すると、体脂肪が増え、細胞の受容体の働きも何らかの形で低下するため、身体の細胞に対するインスリンの作用が低下します。
このため、普通の人より、すい臓からインスリンが多く分泌される必要があります。
それが長期間続くとすい臓は働きすぎて疲れてしまい、最後にはインスリンをあまり分泌しなくなってしまうのです。

2.食べ過ぎ

食べ過ぎとは体が必要としているエネルギー分以上に食べてしまうことです。
普通、必要な物を必要な分だけ食べることは食欲が調整しています。
この食欲は脳による満腹中枢と飢餓中枢のバランスで調整されています。そしてこれらの中枢の働きを調整している代表的な物質に血液中のブドウ糖、つまり血糖があります。
食事をすると、この血糖の値が上がり満腹中枢が刺激されて「食事を止めなさい」という指令が出ます。 ところがこの食欲の調整に狂いが起きることが多くあります。 テレビを見ながら無意識に食べ過ぎる、色々なストレスによる自棄食いなど原因は様々です。 そして運動不足が続き、食べ過ぎの状態が続くと、必要以上の栄養が体内に入り肥満になるわけです。

3.運動不足

運動不足で消費エネルギーが落ちると、当然肥満しやすくなります。
しかも、余分なブドウ糖の一部は皮下脂肪として蓄えられますから、体脂肪率が上昇します。
また、運動量が低下してきますと、筋肉の量がどんどん減っていき、ブドウ糖をうまく利用できなくなります(ブドウ糖は筋肉のエネルギー源)。
そうなると血液中に糖が溢れて血糖値がどんどん高くなっていきます。

4.ストレス

ストレスを感じると自律神経系や副腎などから、さまざまなホルモンが多量に分泌されます。 
これらのホルモンは、ある程度血糖値を上げる働きがあります。
このため、インスリンの働きが妨げられてしまうのです。

5.加齢

年をとるにつれて、糖質の利用が悪くなると同時に、細胞が老化してすい臓の働きが悪くなるなど、体全体の機能が低下します。
このために、血糖値、特に食後の血糖値が下がりにくくなります。

6.妊娠

妊娠中は胎盤から分泌される、ホルモンがインスリンの働きを妨げるため、糖尿病を起こしやすくなります。 出産すると、健康体に戻ることもあれば、戻らないこともあります。
2児、3児と妊娠を繰り返すと、糖尿病になりやすくなることも知られています。

糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか?

糖尿病の歴史

糖尿病はいつ頃から存在していたのでしょうか?

今から3,500年以上も前に記されたエジプトの書物には、糖尿病に関する幼稚な記述がみられることから、それ以前に存在していたという事がわかります。今から1,700年も前に、トルコのカッパドキアに住んでいた医者アレテウスが糖尿病について詳しく記しています。

インドや中国でも2,000年前にはすでに糖尿病について記されています。

古代インドでは「口渇、頻尿、衰弱を伴う多尿症の尿は密のように甘く、アリが群がる。」と記されたし、中国でも「多尿症(消渇症)の尿は甘く、犬がなめる」と記されています。

しかし消渇は腎臓や尿路の病気と考えられていました。
ヨーロッパで糖尿病患者の尿が甘いことに気づくのはそれよりずっと後のことです。
1921年にインスリンが発見されるまで、糖尿病は3,500年もの間「死の病」として世界中で恐れられていたのです。
19世紀に入るとヨーロッパでは、糖尿病患者の膵臓に異常があることに気づきはじめました。
1869年にランゲルハンスは、膵臓には消化酵素をつくっている細胞とは別の特別な細胞が、まるで島のように点在していることを発見しました。この部位は現在「ランゲルハンス島」、あるいは「膵島」と呼ばれています。
1889年にはメーリングとミンコフスキーによって、膵臓がなくなると糖尿病が起きるということが発見されました。
これを機に研究者たちは一斉に膵臓に注目しはじめました。
そして遂に1921年、カナダのバンティングとベストによって、糖尿病を抑える働きを持つホルモンが膵臓から抽出されました。

インスリンと名付けられたこのホルモンは翌年から糖尿病治療に活用されて、目覚ましい効果を上げました。

これによって、「糖尿病による死」は「糖尿病と共に生きる」ということに進化しました。

運動の習慣を身につけよう!

糖尿病と運動療法

運動療法で得られる効果

インスリンを節約できる

定期的に運動を続けることで、筋肉や脂肪など各組織の細胞がもつ、ブドウ糖や脂肪をエネルギーに変える能力が高まるので、その分インスリン量が少なくてもすみ、インスリンの節約につながります。また、エネルギー源として血糖を使うため、高血糖の防止にもつながります。

中性脂肪やコレステロールを減らす

糖尿病の人は、動脈硬化に注意する必要があります。運動によって、血液中の中性脂肪や動脈硬化のもとになるコレステロールを減らす効果が期待できます。

心臓や肺を強くする

定期的な運動は心臓や肺の機能を高めます。心肺機能を強化することによってより活動的な体に、運動に適した体になります。

血圧を下げる

血圧が下がり、心筋梗塞などの心臓病の予防につながります。

足腰を強くして老化を防ぐ

食事療法のみで減量すると、脂肪が減少するだけでなく筋肉や骨が衰えることがあります。運動することで筋肉を鍛え、骨からカルシウムが失われるのを防ぐことができます。

血液の循環を促進する

末梢への血液がよくなるため、手足のしびれやこむらがえりなどの神経障害が改善されます。

ストレスを解消する

楽しくスポーツすることで、気分が爽快になり、ストレスの発散につながります。

日常生活が快適になる

筋力や瞬発力、平衡感覚、心肺機能がアップし、体の動きが軽くなります。

病は気から~

病は気から

「病は気から」という言葉をよく耳にします。
この言葉はすでに科学的に実証されており、免疫力を高めるホルモンを分泌するといわれています。そのホルモンには「プラス思考」が重要であり、嫌な事があってもちょっとしたポジティブな考えをすることにより分泌されるようです。気持ちが切り替わらない場合は先に笑顔をつくるなどするとよいでしょう。

糖尿病=闘病生活のイメージはマイナス

病院や会社の検診で「糖尿病」と診断され、真っ先に思い浮かべることはなんでしょうか?
多くの方は「食べたいだけ、飲みたいだけ、食べられなくなったりしてしまう」など、「闘病生活」のイメージが大きいのでは。糖尿病と付き合って行く上で頭に入れておきたいのは、食事・運動療法を正しく行えば、普通の人と変わらない生活ができる、ということです。
日本人に圧倒的に多い2型糖尿病は、原則的に食事療法と運動療法がきちんと行われれば、コントロールできるはずです。
健康的な食事をして、健康的に身体を動かす、そんな毎日をイメージしてみましょう。